日本語はなぜハイコンテキスト言語と呼ばれてしまうのか

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こちらの画像をみて文章を読んでください。

なぜ日本語はハイコンテキスト言語と呼ばれてしまうのか


これはあるバスに乗った時に貼られていたお知らせです。新500円硬貨が使えないので両替できる500円玉と交換します、という文章です。
一見何の変哲もない文章ですが、準備という言葉に注目してみてください。

準備という言葉の意味

両替のできる500円玉を準備いたします、とはどういうことなんでしょうか。
運転士は申し付けられてから500円玉をどこかから用意するのか、その用意された500円玉をどうするのかは実はこの文章には書かれていません。

準備に交換の意味が含まれていれば特に違和感なく通じると思いますが、準備の意味は以下です。

じゅん‐び【準備】
[名](スル)物事をする前に、あらかじめ必要なものをそろえたり態勢を整えたりして用意をすること。「実験の準備を進める」「心の準備」「会議資料を準備する」「準備万端ととのう」「下準備」

コトバンクより

つまり、準備とは事前に用意するという意味です。
なのでこの文章を噛み砕くとこんな文章になります。
「両替のできる500円玉を事前に用意いたしますので運転士までお申し付けください」
急にややこしくなりました。上記を成立させるなら「〜500円玉を事前に用意いたしておりますので〜」が適切でしょう。

意味を簡潔に伝えるのであれば、以下のような文章か良いでしょう。
「両替できる500円玉と交換いたしますので、運転士にお申し付けください」

ただし、画像の文章を読んで意味が伝わらない日本人はいないと思います。自分が上記した事も本当に運転士さんに伝えたら、いちゃもんだと捉えられてしまうでしょう。

少し曖昧に感じる言語表現が普通に通じてしまう事が、言語外コミュニケーションを促進しているのではと、何気ないバスの乗車で感じさせられました。

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