2014.7.22
アントニ・ガウディとは誰か 磯崎新
7/10発売のブルータスが井上雄彦さんを通したガウディ特集だったのに即発され、久々に磯崎新さんの表題の書籍を読み返しつつ、ガウディと特にサグラダファミリアについて書いてみました。
ガウディといえばサグラダファミリアで、サグラダファミリアといえばガウディです。他の国の人はどうなのかわかりませんが、日本人はかなりの割合でそう思っているんじゃないでしょうか。
サグラダファミリアとはなんなのか、磯崎さんの本によると1882年に着工した寄付金を集めて作られる贖罪教会で着工から100年が経過した今でも建設が続いてる。
実はガウディのオリジナルの図面も石工模型も、内戦の影響でほとんど残っておらずわずかに残ったスケッチや模型の残骸から工事を続行している。他様々な事情をふまえて建設反対運動が起こったことがある等々です。
日本にいてガウディの事を漠然と考えていた時は建設反対運動なんて思いも依らず、知った時にはびっくりしました。
6年程前にスペイン旅行の際ミーハー気分でサグラダファミリアにも行きました。現在の写真を見るとその頃と比べても遥かに工事が進んでいてびっくりしました。子供の頃には、200年後に完成する等と言われていたのにいつの間にかあと20年足らずで完成するとも言われていますが、その一番の要因は鉄筋コンクリートの採用です。
サグラダファミリアを見ての印象は、生誕の門は石の積み重なった重量感と富士壺のような壁面、彫刻のどれもが一体となっていて美しい造形を作り出していましたが、現在建設中の部分は、フォルムはとても美しかったのですがなんとなく今ひとつでした。鉄筋で骨組みを作り、外の造形としてコンクリートを型に流し入れ「ガウディ建築」を作っていく。
この「ガウディ建築」の作り方で重要視されているのが、視覚的に認識しやすいガウディの造形的な部分だけで、「逆さつり天井の模型実験」をはじめとした合理的実践主義の部分が少し排除されているように感じてしまったからかもしれません。
フォルムの美しさでは比べるべくもありませんが、ある意味ディズニーランドのシンデレラ城を見ているかのような気分になってしまいました。
とは言いつつもやはり完成したらその姿を見てみたい心情は隠しきれず、門外漢として2026年のそのときを静かに待ちたいと思っています。
アントニ・ガウディとはだれか

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