あけましておめでとうございます。
2022年はじまりました。今年の正月休みは前からやってみたかった茶室おこし絵にチャレンジしてみました。今回作ってみたのは千利休の現存する唯一の茶室と言われる「待庵」です。
おこし絵とは
おこし絵は建築の平面図と立面図の組み合わせになっており、切り取って組み合わせると簡易的な立体模型になります。建築物を建てる際にイメージを膨らませるために使われていたそうです。pen Books「千利休の功罪」を読んだ時におこし絵の存在を知りました。
おこし絵は手に入らないため複写を取り寄せる
おこし絵は現行で販売されているものはなく、古書店で販売しているものを見つけましたが全12集で140万円ほどもするものでとても手が出ません。どうしようかと思っていたところ、国立国会図書館にならあるはずということに気が付きました。
国立国会図書館では蔵書の「遠隔複写サービス」など自宅から資料を参照する方法があります。今回はそれを利用してコピーを取り寄せることにしました。
今回取り寄せたのは「茶室おこし絵図集. 第5集 図書 堀口捨巳 監修. 墨水書房」に収録されている「待庵」です。何ページに収録されているのかわからなかったため「待庵」に該当するページ全てと依頼しました。
難航した複写
私はおこし絵の実物を見たことがなかったので依頼の仕方もざっくりしていましたが、図書館の担当者からどうやって複写するかについて何度も電話がありました。想像している以上に細かい部分まで作り込まれているようで、棚の部分まで全て複写すると膨大な数になると伝えられ、最終的には担当の方にある程度お任せしました。
コピーが届きました
最終的に複写はA2 4枚、A3 13枚、A4 1枚になりました。コピー代、送料を含め1,800円ぐらいでした。ちなみに支払いは請求書が届きコンビニなどで支払えます。
制作1 取り込み
届いたコピーは部分取り込みになっているためそのままでは組み立てられません。またゴミなどもついているので一旦スキャナーで取り込んでから除去することにしました。
制作2 photoshopで編集
スキャンする時部分的に歪んでいたので歪みなども修正しました。
プリントと切り出し、組み立て
おこし絵は通常1/20だそうですが、1/20だとプリントできないので1/40に縮小しています。
切り出しながらどうやって組み立てるのか試行錯誤しながらやっていきます。おこし絵は両面印刷になっているのですが、実際に届いたのは片面ずつバラバラなのでどこに表側が着くのか考えながら組み上げました。
組み上げていく中で、スキャン時の歪みなどがありうまく合わない部分があったり、コピー用紙で作ったためかなりヘロヘロの出来上がりになってしまいましたが、手元に待庵があるのは結構楽しいです。次はもう少し厚めの紙でプリントして再現してみます。
内装デザインの仕事をする時、パースだけで済ませてしまっていましたが、立面と平面を組み合わせて実物模型を作るとイメージが膨らみそうです。