2014.9.8
デザインとスピード 2014年秋編 1/2
時代を経てデザイナーの役割は変わってきたと思います。僕は特に紙媒体をメインに扱う仕事が多いのですが、ここ30年、20年、10年とデザイナーに求められる仕事の種類がどんどん増えてきた気がします。
例えば30年前の1984年、DTPはまだ普及しておらず写植が全盛でデザイナーとオペレーター、コピーライターやカメラマンなどどんな仕事でも分業が当たり前でした。一つ一つの仕事にとても時間がかかるため分業など不可能で、それぞれがそれぞれの仕事にベストを尽くすという時代です。
20年前だとどうでしょう、現在35歳のぼくが1993年当時最初に欲しいと思っていたMacはLc520というCDドライブとモニター、フロッピーが一体になったものです、プロセッサーは68系と呼ばれるモトローラのものでクロック周波数は16Mhz 。 ちなみにクォークエクスプレスが最初にでたのは1989年(日本語版2.2)イラストレーターが最初に一般向けに発売されたのが1986年なので当時すでにDTPのソフトウェアはあったという事にはなりますが、 LC520は趣味レベルでならともかくDTPがまともに仕事で扱えるようなものではありません。Macが最高クラスのクアドラ800だとまだ70〜100万円した事を考えるとそこまで普及していたとは思えません、一部の先駆者が導入を進めていたぐらいでしょう。
クオークとイラレ
僕が最初に入ったデザイン事務所はもともと版下製作の時代からあった事務所でそこがMacを導入したのが10数年前と言っていたので1995年ぐらいでしょうか、20年ぐらい前なんて意外とそんなものでまだまだ過渡期、フォントの問題も今では考えられないほど複雑でしたし1年や半年で状況はめまぐるしく変わり1993年と1997年でもマシンの性能やソフトウェアの安定度はかなり変わります。
そんなとき20年から10年の間にパラダイムシフトと言ってもいい改革がMacで起こります、power pcの発売とそれに続くG3、G4の登場です。これはDTPの状況を大きく変えました、ようやくまともに使えるDTP環境が整ってきたのです。
PCの進化とDTPの変化
マシンの進化は状況をどんどん変えていきます、ムーアの法則に従えば PCの進化(処理能力の向上)は2年で約2倍になるそうですが、30年前高速大容量と言われたMachintosh SEですらクロック周波数16Mhz、メモリーは512kbです。
今Macproのハイエンドモデルはメモリーが最大64GBなので120000分の一、演算速度も単純なクロック周波数で比較出来ないとはいえ3.5Ghzの6コアなので約13000分の一。pcの進化とスペックの向上は専門家ではないので詳しく語れませんがPCの進化はデザイナーの役割を大きく変えていく事になります。
DTPの進化が進むにつれ文字を切り貼りして文字組みを作ったり、レイアウトを考える工程は一人のデザイナーがPCを使って最初から最後まで製作の一部としても組み込むのが当たり前になりました。さらに今まで実際に印刷しなければ見えなかったものが、画面上でプレビュー出来るようになった事でさらに作業スピードはアップします。
Mac Pro ME253J/A [3700]

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