畑を耕すようにデザインの事を考えるデザイナーのためのマガジンPeeji(ペエジ)。

2019.12.11

茶室とインテリア 時代は変わる


内田繁さんのこの本を読んだのは10年以上前だったと思います。その時は友人に借りて読みましたが久しぶりに読みたくなって今度はアマゾンで注文しました。

茶室とインテリア

茶室とインテリアというタイトルですが、日本人が伝統的に持っている身体感覚や文化的背景から、日本人にとってなにが心地よいと感じるのかを考察し、インテリアを考えていく本です。

章はそれぞれ座、間、風、水、火などと名前がつけられており、「座」では靴を脱いで暮らす生活様式から受けた影響、「間」では日本建築がもたらす水平感覚など、ポイントが絞られて語られているので頭に入ってきます。

久しぶりに読んで以前と違うと感じたのは、現代が装飾が少なくなったスーパーフラットの時代であると書かれている部分。確かにこの本が刊行した2005年ぐらいはキッチュだった80年代、POPに向かった90年代からだんだんと落ち着いたデザインに変わっていった時代だった気がします。iMacのデザインとかみると1998年の初代ボンダイブルーから、2002年に首長のホワイトiMacに変わり、2004年には形状的には今のものと近い薄いディスプレイの一体型へ変わりスタイリングはよりシンプルになっています。

そこからさらに2010年代になってくるとプロダクトの外面はとてもシンプルでエレガンスになっていますが、行き着いた洗練はそこより先の行き場を失い、Appleのプロダクトでいえばゴールドなどより人間の欲望を満たすようなカラーがでてきたりしています。また、その中でやりとりされる動画や画像は洗練とは程遠く、あらゆる人や企業が低品質なものから超高品質なものまで、かつ同時性による臨場感やリアリティが重視されるようになり、表現は誰でもわかりやすく明快を追及して言った結果、洗練というよりはチラシのようなプロダクトが乱立するような世界です。

ファッションも80-90年代がリバイバルしてビッグシルエットで装飾性の高いものが流行っています。かと思えば断捨離ブームに始まったミニマリズムを追及する人がいたりと消費の多様性はどんどん広がっています。

消費の極性が強まったせいか自分が理解出来ないものへの不寛容も高まった気がするし、その影響でカルチャーをミックスするよりは好きな物だけ自分の世界で楽しみたいという人も増えたような気もします。

もはや本への感想から個人の感想みたいになってしまいましたが、日本人がDNAレベルでもっている思考性の一旦が掴める本です。

茶室とインテリア―暮らしの空間デザイン


縞模様の歴史

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