2019.10.6
面白くならない企画は一つもない 煮詰まりを解消してくれる薬
フェイスブックのタイムラインに流れてくる電通報で高崎卓馬さんのクリエイティブクリニックを知りました。
その内容があまりにも企業のリブランディング案件で悩んでいる自分の視座をあげてくれる内容だったので、記事の中で薦められるがままに記事タイトルの本を購入。内容は高崎さんが、広告作りで悩める後輩トミタ君のためにクリエイティブの処方箋を施すというもの。事例は広告、主にCMを題材に作られていますが、クリエイティブの本質に違いはないのでブランディングに悩んでいる自分にもためになる内容でした。
本の中で特にセツメイ病と名付けられている病気がまさに自分がはまっていた病気です。ロゴを作るために会社のミッションやビジョンを分解し、これだと思う答えをビジュアル化したロゴを作っていたのですが、どうにもしっくりこない。なんども見つけたキーワードを手を替え品を替え、洗練させていったのですが全く受け入れられないし、自分でも正解と思えなくなってきた。そこで気が付いたのが、自分の患っていたセツメイ病は説明の手法にこだわるだけで、説明するものの本質を捕らえられていなかったこと。読んでから作ったロゴは自分でもクライアントも納得できるものになったという嘘のようなホントの話です。
中身もさることながら、一番響いたのはタイトルです。煮詰まって制作が思うように進まない時、そもそもこの会社のミッションが悪い、社名が悪いのではないかと疑ってしまった自分がいたのですが、当たり前ですがそんなことはなく、どう表現するかが重要なのだと改めて再認識。これは自分が常々思っている「フォントに罪はない」ということと同じ感覚で、デザインしているときに思わずフォントが悪いなどと思ってしまうことがあると思いますが、それはフォントが悪いのではなくフォントを適所に配置できていないデザイナーの罪だということです。
内容がスッキリしていてとても読みやすく、あっという間に読めてしまう本ですが大切なことに気がつかせてくれる本でした。
面白くならない企画はひとつもない 高崎卓馬のクリエイティブ・クリニック

関連記事

やりたいことをやるビジネスモデル―PASS THE BATONの軌跡 遠山正道
やりたいことはあるけどビジネスの仕方がわからない人は読まなくても大丈夫、ビジネスをしたいけどやりたいことがわからない人に読んで欲しいという一文から始まる本書は、ビジネモデルという言葉が入る書籍タイトル

UXとシンプルなデザイン
アプリのUIデザインをやらせてもらった時UXについても調べてみたりしました。 何しろ元は紙媒体メインでウェブはたまにお仕事をいただくぐらいの感じなのでUXについてきちんと勉強したことはありません。

デザインと大きさの関係性とプレゼン力
最近写真展覧会の空間デザインや設置などに関わっていました。 参考も兼ねて六本木でやっていたグルスキーの写真作品を見たり、展示に関わったりしていて今までより強く感じたのですが、物を見る時に大きさと

オリンピックロゴ一般公募について
一応世の中の隅の隅の方ですがデザインを生業として子を養い生活させてもらっているのですが、恥ずかしながら東京オリンピックのロゴが公募されているという事を知りませんでした。

小さな会社を強くする ブランド作りの教科書 岩崎邦彦
印刷会社のリブランディングに携わっています。低価格競争の激化する中、印刷会社に求められる事や印刷会社の価値とは、と考えていた時たまたま目にした本です。

東京オリンピック2020 エンブレム選考3つの問題
昨年12月に〆切として行われたオリンピックのエンブレム公募ですがついに4つのエンブレムに絞り込まれたようです。改めて今回行われた一般公募の問題点が大きく3つあったことを振り返しって見ます。