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2019.2.24

グラフィックデザイナー必読 オリンピック・デザイン・マーケティング: エンブレム問題からオープンデザインヘ


2020年オリンピックエンブレムのデザインに関して考察する一冊は、今後のグラフィックデザインが突き当たる壁と、それを乗り越える道を指し示す一冊でもありました。

本の構成

2020年の東京オリンピックのエンブレムデザイン盗作疑惑があり、再選考が行われた事はまだ記憶に新しいですが、一連の流れを資料をもとに客観的に考察されたものを読んだことはありませんでした。
オリンピックデザインマーケティング

この本は、誰もが気になる「パクリ」と「出来レース」があったのかどうかを論点にしていますが、2020年のオリンピックエンブレムだけに焦点を当てて考察するのではなく、過去にオリンピックやデザイン関係者が、どのように1964年の東京オリンピック、札幌オリンピック、万博などの公的な大規模イベントでのロゴマーク制作に取り組んできたのかを紐解きながら、東京大会のエンブレムに関してなぜ疑惑が巻き起こったのかを丁寧に解説しています。

実物を見るとわかりますが非常に分厚く、その厚さに比例して中身も濃いですが、全体の構成は8章に分かれていて、エンブレムの作り方の歴史や、オリンピックマーケティング、炎上問題など興味のある分野から読めるようになっていて読みやすいです。

作り方と使い方

パクリかどうかに関する詳細な説明は、本の中でじっくり語られているので割愛しますが、興味深いのは佐野研二郎さんの案がどのような「作り方」で作られ、どういう「使い方」をするために作られたのか、に焦点を当てて解説していることです。

それによって、今回のエンブレムがなぜこのような騒動まで発展してしまったのかを、客観的に分析できるとともに、参加コストが他のデザインと比べると低いグラフィックデザインという仕事が抱え、グラフィックデザイナーという職業がぶつかっている壁を浮き彫りにしています。

ロゴマークを作るグラフィックデザイナー、そしてロゴマークを依頼するクライアントに特に読んでもらいたい一冊でした。

オリンピック・デザイン・マーケティング: エンブレム問題からオープンデザインヘ


縞模様の歴史

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