2018.7.17
デザインとはなにか 認知心理学からデザインを見るための3冊
自分が作ったプロダクトが人に本当に受け入れられるのか心配したり、受け入れられた時一体何が人の琴線に触れたのかを分析したいと思った時、人が視覚的に「もの」をどうやって認知するのかを理解するのは、一つ重要な要素になります。
今回はそんな認知科学を考える上で役に立ちそうな本をご紹介します。
心を動かすデザインの秘密 荷方邦夫
あまり学術的ではなく「デザイン」というものがどうやって人に受け入れられて行くのかをわかりやすく解説した書籍です。身近なものを例に認知心理学とデザインを結びつけています。前半は割と軽めの内容ですが後半はデザインとデザイン学の距離の遠さを語っていたりと、学問と実地をどうやって結びつけるのか考えさせられる部分もあります。
アフォーダンス 新しい認知の理論 佐々木正人
ギブソンの提唱したアフォーダンスという概念をわかりやすく説明した書籍です。生態学的視覚論で挫折した方は、こちらの本はわかりやすいのでぜひ読んでいただきたいです。個人的にはアフォーダンスを語った部分よりも、人間は変形するものから知覚するという不変項について書かれた部分に興味を惹かれました。
教養としての認知科学 鈴木宏昭
「教養としての」という言葉通り認知から記憶、そして思考までを網羅的に扱った書籍です。幅が広いので全体を把握してデザインに即結びつけるのは難しいですが、認知だけでなく思考の観点でも人がどうやって、物事を認知して行くのかなど書いてあって参考になります。
いかがでしたでしょうか、そろそろ夏休みを取られる方もいると思うので、休み明けの仕事のステップアップのためにご参考ください。

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