畑を耕すようにデザインの事を考えるデザイナーのためのマガジンPeeji(ペエジ)。

2018.2.19

柳 宗悦 無印良品とユニクロと用と美


ユニクロと無印が好き

僕は一度気に入ってしまうと同じものを繰り返し買ってしまうのですが、中でも繰り返し買う品物に入っているのがユニクロと無印良品の商品。
どれとは言いませんが、特にここ4,5年は全く同じかほぼ同じようなものを複数買い、痛んだり、使い終わったら再度同じものを買い直すということしています。
僕にとっていつでも手にはいる同じようなものというのが割と重要で、あまりもののことを気にしなくていいと言う事が良かったのですが、それが分析するとどういう事なのか、なんとなくこの本を読んだら分かりました。

この本は無印良品が出版している文庫本で「人と物」をテーマにした著作物を編集しています。第一弾が日本民藝館の館長で民藝運動の始祖 柳宗悦。

柳宗悦

「用と美」

本書の中で自分の繰り返し買う傾向を、よく言い表していると感じられたのが「用と美」の項です。
用と美を簡単に言ってしまうと、「用」とは実用のことで何か生活に役立つことを表しています。そしてここでいう「美」とはいわゆる機能美のことで、そのものが最も良く機能した時に現れる美です。

ここで重要なのは実用性と言うと単純に身体的、機能的に生活に役に立つものと連想してしまいますが、生活は心と肉体で成り立っているので、実用性があるということは心も豊かにしているということ。

また柳さんは、工藝美術のように機能を度外視した美をやんわりと否定していますが、自分的に解釈するとそのものが与えてくれる美と自分が求めている美が一致すれば、そこには美があると考えられるということです。

僕が洋服や身の回りのものに求めている「機能」はいつも手にはいる簡便さと、使う時にどれも同じようなものなので組み合わせに迷わない一定性です。見た目にはシンプルだけど組み合わせと自分に合ったサイズ感や、使いやすさを求める事で、不恰好にならない『美』を求めています。
一方で常に全ての物をユニクロで固めているかというとそうでもなく、見た目から心を豊かにしてくれる『用』としての機能を持った服であれば身につけます。「用」を求めると美がなくなってしまうではなく、用としての美を持ったものを重視したいと思っています。

書けば書くほど、用と美のパラドックスに陥りそうになってしまいますが、雑器の美などを読んでいただくとさらに理解が深まると思います。
シンプルに暮らすということが、いわゆるミニマリストになるというほど簡単な話ではないと逆に考えさせてくれた良書でした。

柳宗悦「手仕事の日本」他16全作品すべて収録


縞模様の歴史

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