畑を耕すようにデザインの事を考えるデザイナーのためのマガジンPeeji(ペエジ)。

2017.4.19

【再読】レム・コールハース ドキュメント 行動主義 滝口範子


久々に取り出して読み直してみた本です。

この本2004年に出ているので10年以上も前の本なのですね、滝口範子さんがレム・コールハースについて密着?取材をして書かれた本です。

レム・コールハース 行動主義

レム・コールハースについてはご存知の方も多いと思いますがもともとジャーナリスト出身の建築家で「錯乱のニューヨーク」と「S,M,L,XL」という著作で建築より先に有名になり、その後CCTVを始め20世紀、21世紀を代表する建築家として文字どおり世界を股にかける建築家です。

この本はそんなコールハースの取材がどれだけ大変かということを軸に書かれていて、アポすらままならないコールハースをつかまえる過程とコールハース周囲の環境の観察で半分が占められていていますが、それが逆に世界を飛び回り取材ができない対象というコールハースの存在をとてもうまく掘り出しています。

レム・コールハース 行動主義

脱建築家

残りの半分の3/2は「コールハースとともに走る11人」というタイトルで関係者へのインタビューが収められていますが、建築構造家のセシル・バルモンド、一緒にプロジェクトに関わったこともある伊東豊雄、個人的なパートナーでもあるインテリア、ランドスケープデザイナーのペトラ・ブレーゼなど様々な人がインタビューに答えていますが、その誰もが割と同じようなことを言っているのが印象的でした。それはコールハースは今までのいわゆる建築家的な仕事の取り組み方ではなく、根本的な建築の生み出し方が違うと言うこととそれを裏付けるようなある意味建築からの離脱のようなもの。

レム・コールハース 行動主義

それを象徴的に表しているのが建築家評論家のサンフォード・クインターがコールハースに言われた
「ぼくはもう建築には関心がない。建築をやるより人生を楽しめるよう、事務所の組織を考え直したんだ」
という言葉です。

この本を読んでていて感じるのはデザイナーや建築家がアウトプットとしての形状に固執してしまうことへのコールハースの痛烈な批判、もちろんその批判が絶対的に正しいとも思いませんが軽やかにそれを超えて自由なアウトプットを出し続けその存在が建築とも言えるようなコールハースには憧れを抱いてしまいます。

10年前にはそこまで理解できませんでしたがスキルや技術、嗜好というものがいくらでもジャンプできる世の中においてはコールハースの生き方はすべての人に実践できるほど身近な考え方になったのだなという気がします。

何かを生み出そうともがいている人には是非読んでほしいです、何をするべきなのかのヒントになります。

ちなみにこの本装丁も素晴らしくて、特に紙がペーパーバッグのような粗雑な紙が使われているところに移ろいゆく時間の流れを感じさせてくれるところが良いです。

行動主義―レム・コールハースドキュメント 瀧口 範子


縞模様の歴史

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