2017.4.16
デザイナーが読むべきデザイン書5冊 デザイン思考編
これからのデザイナーが読んだ方が良いのではという本を5冊「デザイン思考編」として集めてみました、いわゆるデザイン哲学というよりはどうやって仕事をするべきか、デザインと関わるべきかのヒントになりそうな本を選んでみました。
はじめての編集 菅付雅信
AIとアプリケーションの発達で、グラフィックデザイナー、ウェブデザイナー、その他全てのデザイナーが今後一つの職能にこだわるだけでは生き残っていくのが難しい社会になる中で、デザイナーにはプロダクト作りやブランド作りを俯瞰した位置からコントロールする能力が求められていくと思います。
デザイナー、ライター、その他様々なクリエイターや関係者を束ねアウトプットを出す編集という能力は上記に近く、デザイナーにとってもマストになってくると思われますが、そんな編集という能力がどのように育まれてきたのかというのを歴史とスキルの軸で紹介するのが本書です。
Think Simple ケン・シーガル
iMacの名付け親であり、史上最高のCMと言われるAppleの「1984」やThink Differentキャンペーンに関わったケン・シーガルによるアップルのデザイン思考をシンプルという軸で書いた一冊。
アップルというよりジョブスの思考哲学を客観的に評価していて非常にわかりやすい、デザイナーだけでなくすべてのビジネスマンにオススメ。
仕事の流儀 宮田識
ドラフト、D-BROSの代表宮田識による仕事の進め方を描いた一冊、いち早くブランディングというものの大切さを理解して推進した宮田さんならではの仕事の取り組み方は、現代においても十分通用するというか出来ていない人がほとんどなので、ぜひ一読して文字ベースだけでも理解してほしい。
デザインの授業 ポールランド
IBMやジョブスが作ったネクストコンピュータのロゴを作ったポール・ランドの一冊。良いデザイン、悪いデザインとはを端的に解説しています。本も3色刷りで可愛らしく本棚に並べるだけで気分が上がります。
自分の仕事を作る 西村佳哲
仕事とどう向き合うべきか、自分の仕事とはどうあるべきなのかを柳宗理やドラフトの宮田識さん、パタゴニアのベンチュラなど様々なクリエイターのインタビュー通じて掘り下げていく本です。
個人的には最後の「頼まれもしないのにする仕事」という日本とイタリアのデザインワークの違いを綴った章が印象に残っています、現在デザインワークのほとんどすべてがクライアントが存在する受注仕事ですが、本来デザインとは提案する仕事でありイームズのDCMチェア、マルセルブロイヤーのワシリーチェアなどはクライアントが存在せず自分で考え作ったことが仕事になっています。
受注仕事が減っていく世の中でデザイナーとして生きるためにはを考えるのに役立つ本です。
デザインという職能の役割が変わっていく世の中をどうやって生き延びるのかに役立ちそうな本を集めてみました、常に目の前の仕事でいっぱいいっぱいにならず俯瞰して自分の仕事を考える環境を作っていきたいですね。

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