2016.2.11
テキスト至上主義社会とフォントの役割
朝起きるとTwitter、Facebookやニュースアプリで情報収集、電車に乗っている時も仕事のメールやslackをチェック、スマホから離れても本を読む、会社に着いてもメールの返信や企画書・会議資料製作、休み時間にはブログの更新、たまにLINEなど、ひたすら文字を読むか書くかをやり続けている現代社会はおそらく日本人史上もっとも読み書きをしている時代なのではないでしょうか。
国語力がある人が仕事ができる?
それだけ人に何かを伝える際に文字を介す事が増えたという事はおそらく日本人の国語力は史上最高になっているはずで、さらにいうと仕事ができる出来ないは国語力に紐付いているのかもしれないと考えさせられます。
ここでいう国語力とは論理的な文章の組み立てと誤りのない文法、豊富な語彙、ネットならではのリアルタイム性の高さに対応する瞬発力と、人を惹きつけるキャッチーな見出しの組み立てなどです。
中でもキャッチーな見出しを作る能力は訴求する内容をつかみ、読み手の関心を一気に引き込むものでなくてはいけないため非常に重要です。
これが作れるようになるとWebやLPの直帰率は下がり企画書は目を通してもらえるようになり、転職時にスカウトされるようになり、LINEで好きな女の子に興味を持ってもらえるようになるなど日常の言葉を使ったコンテンツ=日常生活の大半が自分でコントロールしやすくなっていきます。
というように、まずは内容が最も重要だと思いますが実は内容以外にアウトプットの形つまりフォントも人類史上最高に重要視される世の中になっているのではとふと気がきました。
テキスト至上主義におけるフォント
タイプされたものはwebであれ紙媒体であれほとんどの場合、フォントにそのビジュアルを託してアウトプットされます。つまり至上最高にテキストが重要視される世の中では≒でフォントが史上最高に重要視されているとも考えられます。
とはいえ一般的なビジネスマンでビジネスの書類を作るのにフォントにこだわる人というのは、あまり多く見た事がありません。
バンドルされるフォントが増え多くのフォントが選べるようになり選択肢は増えましたがなにを選べばいいのか、そもそも何を基準に選べばよいのかわからないという人も多いでしょう。
社のデザインレギュレーションで決められていたらそれに沿って使う必要がありますが、そうでない場合はMac、Windows両方に搭載されかつ見やすいフォントを選ばなければなりません。
今一番おすすめなのはMacだとMarvericksから、Windowsだと8.1以降に搭載されている字游工房さんの遊ゴシック体と游明朝体がおすすめです。
字游工房
游ゴシック体
游明朝体
Windowsだとゴシックは今までメイリオを選ばれていた方も多いと思いますが、メイリオのいわゆるゴナ※の流れを組んだフォルムは会社のブランドイメージによっては合わない場合も多いと思います。
※写研のゴシック体、モリサワの新ゴなど様々な書体に影響を与えた。書体デザインは中村征宏。
遊ゴシックはモリサワの中ゴシックなどの流れを組んだスタンダードなフォルムでありながら、若干ウェイトが軽くて現代的な印象を与えかつ可読性が高いです。
当然社内環境やブランドによって遊ゴシック・明朝一択という事はないので是非色々なフォントを試していただきたいです。
それからビジネスの現場でどのぐらい使えるかは未知数ですがMacユーザーだったら是非いろんなシーンで使って欲しいのがEL Capitanからバンドルされた筑紫丸ゴシックシリーズ。いつもお世話になっているフォントワークスさんのフォントがバンドルされるなんてすごい時代が来たなと思われました。
広告などでは見ない日がないほどかなりいろんなところで使われていますし自分もしょっちゅう使わせていただいています。
バンドルされるフォントの豊かさが生むフォント文化の底上げは、テキスト至上主義におけるフォントとフォントデザイナー、タイポグラフィーの役割が今後まだまだ可能性が広がっていくと思わせるのに十分なインパクトがありますね。
Retro Fonts 1830-1990 世界のレトロフォント大事典 with CD-ROM

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