2015.6.21
【映画レビュー】JAZZ SEEN カメラが聴いたジャズ ウィリアム・クラクストン
ここ10年ぐらい基本的にナチュラルでシンプルを割合愛していて、過度にデザインされたものは避けてきたぼくにしては、 昨年黄金の7人を観てからなんとなくミッドセンチュリーモダン熱が少し再燃。
再燃というのも10代ぐらいの時分は割合そっちが好きなほうで、今はなきミッドセンチュリーモダンな内装がかっこよかったヴァキュームレコーズなんかにも足繁く通ったりしていました。
そんなぼくなので、ジャケットに黒とオレンジのコントラストがかっこいいペギーモーフィットの写真を見つけた瞬間完全にやられてしまい映画の内容もあまり確認せずに手にとっていました。
チコハミルトンやチェットベイカー等ウエストコーストジャズのジャケット写真を中心に活躍したカメラマンでデザイナーの、ウィリアムクラクストンとその妻ペギーモーフィットのドキュメンタリー。
映画はジェリーマリガンの演奏シーンから始まりちょっと真夏の夜のジャズを思わせます。全編ウエストコーストジャズ、ペギーモーフィットのシーンではラウンジっぽい音楽が流れかっこいいです。
チコハミルトンからバートバカラック、ヘルムートニュートンなど音楽家からカメラマンまで幅広いインタビューで構成されていて、ウィリアムクラクストンとペギーモーフィットのインタビューもあります。
写真をただ撮っていただけでなくWEST COAST JAZZのジャケットのような斬新なレコードジャケットを生み出す、デザイナー、アートディレクターとしても活躍していたクラクストン。
クラクストンの活躍はもちろん、おばあちゃんになってもおしゃれなペギーモーフィットとの仲の良さがまた観てて楽しくて、ビジュアルだけおしゃれなをだけでなく、おどけて写真を撮る姿なんかとても「粋」で、良い歳の重ね方をした大人の映画です。
JAZZ SEEN カメラが聴いたジャズ [DVD]

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