畑を耕すようにデザインの事を考えるデザイナーのためのマガジンPeeji(ペエジ)。

2013.10.9

ガラパゴス化する印刷 装丁の力


peter

最近デザインを志望している人に会うと本の装丁がやってみたいという人によく会います。最近は自分で製本して本を作るのがちょっとブームのような感じになっていてワークショップもよく見かけます。本の装丁は導入を作り中へ導いて本の世界へ誘う、そこにはレイアウトだけでなく紙の質感や厚さ、色など様々な事が絡んできて単純な紙媒体デザインより複合的なもの作りを求められます。

装丁の良し悪しはどこで決まるのか、雑誌なんかで本が紹介されていてカバーがかっこいいとしてもそれで装丁がいいとはなりません。やっぱり手に持ったりページを捲ったりした時に感じる体験が装丁の良し悪しの判断に関わってきます。紙の質感や厚さ、中でも近年日々進化を遂げているなと思うのが特殊印刷をはじめとする印刷です。

しかし、日本ほど装丁というか本の印刷にこだわる民族って少ないのではないでしょうか、当然本作りの歴史が古いヨーロッパなどでは凝った作りの上製本などもありますが、一般的に売られている本でそんなに凝った印刷の本を見かけることは少ない気がします。アメリカのペーパーバックなんて紙も適当だし完全に読み捨てをイメージしてます。本だけでなく雑誌なんかも印刷とか製本が適当な作りの本が多いし、日本だとよく見かけるUV厚盛りや型抜きなどの特殊印刷を施されている雑誌はあまり見たことありません(青山ブックセンターでの体感です)。

荒木飛呂彦さんの「岸辺露伴ルーブルへ行く」を見た時思ったのですが、フランス語版は普通に印刷された上製本だったのに対して、日本語版は特殊印刷と特色を使いまくったやたらと凝った作りの本になっていました。

日本の漫画家だからっていうのもあるんでしょうが根本的な民族の資質が出ているような気がします。

携帯の進化でガラパゴス化なんて言われることがありますが、原案からの発展性という事に関しては最も優れた民族であろう日本人が本の印刷の分野に関しても独自の発展を遂げたというところでしょうか。

しかし、印刷が凝ったものが必ずしもいいとは限らないということもあって、先に挙げた「岸辺露伴ルーブルへ行く」の場合はオブジェとしてはいいし記念本みたいな意味合いもあるのでこれでいいのかもしれませんが、装飾過剰に感じる本が増えてきたのも事実な気がします。本そのものの目的、中身を読んで見て楽しむを一番の目的として考えた場合そこまでの装飾が必要なのと疑問に思わなくもないです。特殊印刷でごってリと盛られた印刷物ってパッと手にとった時はすごく面白く感じるのですがすぐ飽きてしまいます、やっぱり程よく凝っていて本質を見失わないものが優れた装丁といえるでしょう。

2013年度ADC賞[原弘賞]建築を考える

 

 


縞模様の歴史

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