畑を耕すようにデザインの事を考えるデザイナーのためのマガジンPeeji(ペエジ)。

2013.9.19

大地に残るデザイン モエレ沼公園 イサムノグチ


playmountain1

札幌市内の中心街から車で40分弱。公共交通機関を使って45分の場所にイサム・ノグチ最大の作品モエレ沼公園はあります。

四国にあるイサム・ノグチ美術館に行って以来その彫刻作品の質感や、形状が生み出す空間とのいい意味での違和感に魅了されていたぼくは、たまたま行く用事のあった札幌の時間の合間を縫って見学してきました。

許された時間は移動も含めて3時間強、モエレ沼公園までは札幌から電車とバスを乗り継いで行くこともできますが、バスの本数が1時間に1本程度ととても少ないため今回はタクシーを使って行く事にしました。タクシーだと40分程度で到着します、料金は4500円ぐらい。とりあえず公園まで辿り着いて安心したのも束の間、ここで問題が一つ発生しました。モエレ沼公園はとても広いので限られた時間で効率よく回れるようにレンタサイクルが用意されていますが、連れて来られたのはレンタサイクルがある東口ではなくテニスコートや野球場がある駐車場。そこから東口まで歩いて向かわなくてはならなくて15分ほど時間をロスしてしまいました。

到着した瞬間はテニスコートなどが見える普通の大きな公園とあまり変わらない印象を受けたモエレ沼公園でしたが、東口に向かう途中左手に見えるモエレ山を眺めると人口と思えない程の巨大さ、自転車を借りて公園の中に入って行くと視界に広がる緑と人がどう感じるか計算されて配置されたオブジェクト達が、これでもかというぐらい目に飛び込んできます。

今回行った時たまたま落雷の影響で噴水が利用停止になっていて、噴水を見る事が出来なかったためそれ以外の施設を駆け足で見てきました。

まずはガラスのピラミッド、すべての施設が丸、三角、四角などとてもシンプルな形状を組み合わせて作られているモエレ沼公園ですが特に大きな施設は円錐などピラミッド型が多いです。その中でも人が入って実際に利用出来るミーティングルームなどを持ったガラスのピラミッドは他の施設とまたちょっと違った迫力を持っていました。

表面はガラスに反射した空が様々な表情を作り中は天井まで吹き抜けガラス張りの開放感のあるラウンジを入り口に、ミーティングルームやショップ、レストランと市民が普通に利用する施設として使われているようでした。

イサム・ノグチのギャラリーなどもありましたが時間がないので通り過ぎただけで次の施設モエレビーチへ。

モエレビーチは深いところで水深40cm、人口の波が打ち寄せる小さなビーチです。波を作る部分が事故防止のためかブイで囲まれていて、ビーチの景観を壊していたのが残念ですが、ピラミッド型の緑の山との対比がとても美しいビーチです。

そのまま自転車を進めすぐそばのプレイマウンテンに登ります、正直これ登るのか〜というぐらい道のりが長く見えたのですが意外と軽く登れました、山を登ると園内が一望できます、個人的にはモエレ山よりこっちの方が眺めが良かったです。というのも後で書きますがモエレ山はその高さのため札幌市内も見渡せるため逆にあまり見たくない工場や民家等も視線に入ってきてしまいます。プレイマウンテンはモエレ沼公園の中がちょうど見渡せるため景色としてはこちらのほうがきれいでした。

そこからさらに野外ステージを右手にみながら公園内で最大の施設、モエレ山に向かいます。モエレ山は標高60m、車で向かう時最初に見えるのもこの山で、公園を出てからも札幌市内でちょっと高いところに登るとその姿を見かけます。麓から頂上へ続く階段を眺めると、9月とはいえ日差しが照るとかなり暑い季節に登るのは躊躇される高さを感じますが、実際登ってみると大人の足で10分ぐらいで頂上まで登れます。頂上からは公園だけでなく札幌市内も見渡せますが、個人的には前述の通りプレイマウンテンからの眺めるのほうが好きです。ただここからだと地上ではわからなかった施設の真上からの造形、例えばただの林に見えたものが真上からみると三角形になっているなどがわかって面白いので一度は登っておきたいです。

最後にモエレビーチに行く前に見逃したサクラの森へ。この時点で出発15分前だったためじっくり見ることが出来ませんでしたが、全体的に四国の公園に似ていて遊具がかっこいい、しかし大人の自分は滑り台の急さ等に若干びびりました。遊具のまわりはすべてコンクリートではなくクッションが敷かれて落下した時の安全性も考慮されているようでした。

最後にミュージアムショップでイサム・ノグチのアニマルカードとモエレ沼公園の手書きのデッサンカードそれぞれ1,250円と500円をおみやげに買って終了。

この時点で到着から2時間弱、本当に駆け足での見学になってしまいました。実際見学目的だったらゆっくりしてると倍ぐらい時間があっても足りないぐらいかもしれません。

何気なく使われている野球場なんかもモダンな雰囲気を持っているし、細かいところまでみるとまる一日いても飽きないかもしれません。到着時はテニスコートを利用する人やサイクリングをしに来た人がちらほら見かけられるぐらいでしたが、帰る11時頃には地元の人々がたくさん集まって野球やったり、ビーチで遊んだりしに来ていて残り続ける空間をデザイン出来ることの意義を感じました。

PLAY MOUNTAIN―イサム・ノグチ+ルイス・カーン


縞模様の歴史

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